ソフト開発をおこなう中小ソフトハウスは、案件の発生経路としては大手や受託を直接受けている開発会社からの依頼が結構多いそうである。
全国ソフト会社は1万社以上あり、8千社以上が年商10億円に満たないという統計がでている。
そういった規模の企業が直接大口のプロジェクトを直受注することは難しいため、大抵は下請けでのシステム開発がメインとなりかねない。
ところが、直接生産型の利益率はかなり低下傾向にある。ある調査によるとシステム開発会社の平均的営業利益率は約4%であるが、年商10億円未満の70%以上がその利益率に未達であるそうだ。
純粋にマンパワーに頼ってシステム開発需要に対応する労働集約型では限界があり、人員の確保や雇用などを見誤るととんでもない支出が発生する。よって、技術者派遣型の就労形態も多いのが事実だ。
近年のソフトウェア開発国内市場は大きな拡大は見込めず、インドや中国、ベトナムなどのオフショア開発の増加は、システム開発市場の廉価性を急速に進めており、公的費用などの市場自体もかなり停滞、倹約傾向に移っている事実がある。
こうした中、中小システム開発会社に求められるのは収益性の向上と、専門分野でのシェア確保が最優先となりそうだ。
収支については、経常利益、営業利益の把握は勿論のこと売上高、原価、粗利益、販売管理費などの推移を把握して迅速に対応するべきである。
それらの数値を企業内で細分化することによって、数値で把握できる問題はほぼ解決可能である。
あわせて重要になるのが、企業と社会性を重視した、人事考課になる。
数値のみで判断すると、数値自体がなんらかの事由により適切でない場合があり、数値信仰が致命的になり、見えない支出を見逃しやすい。
そこで企業としての堅牢性の礎となるのが、人材になる。
さらに、人事考課を軽んずる企業は悲惨な状況を招きやすく、業種を問わず短命な企業が多い。
いずれにしても、高収益をあげていけば中小システム開発会社から脱出する機会も訪れる。
そして特定分野の市場規模の把握とシェアをつかむことで、そこを機軸にした事業展開が可能になるので、自社規模にあわせた戦略も立てやすい。
細心の注意を払うべきは、システム開発市場規模が10兆円だとして、自社が入り込んでいる市場がいかほどかを明確に把握している必要がある。
例えば2008年度モバイルビジネス市場規模は1兆3,524億円でも、着信メロディ系の市場はその中の473億円(前年比15%減(-86億円))で、実に市場の28分の1である。
また、参入しやすい市場であれば、そこそこの市場規模でも競合が激しく、減少傾向にある市場であれば、さらに過当競争が激化しているのは想像に難くない。上の例だと、着信メロディ系の市場のさらに細分化した市場がさらに重要である。
業種別市場規模やIT投資額等の参考となる数字はいたるところで見受けられる。例え、確実に信頼できにくい数値であっても、IT産業やシステム開発のマーケットを攻略する上で把握しているのといないのとでは大違いだ。
ただし数値を正確に把握したからといっても、中小ソフト会社が下請け体質から脱却できるということではないので注意が必要であるようだ。
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